光を集めるレンズ
気温が上がってきて
着るものに困る季節になった。
夜は相変わらず冷えるし
季節に弄ばれる季節。
テレビでは連日ウクライナとロシアの映像が流れていて
これは現実に今現在同じ地球上で起きている事なのかと
今だに受け入れ難い光景。
でも現実に起こっていて
この夜がまだ冷えて暖房がいる中、あの国ではもっと冷えるのだろうと。
思いを馳せている。
悲惨な光景を見た時に、人や歴史に伝統や紡いできたものが一瞬で壊されていく怖さと悲しさを感じずにはいられない。
私が5年ほど前に購入したロシアンレンズ
日本でもかなり出回っているHelios-44-2が届いた時のことを思い出した。
発送先はウクライナからだった。
購入したことを忘れそうになる頃に
なんとも頑丈にそして大雑把にそれは届いた。
半分くらい忘れていたのと、まさかウクライナから届くとは思っていなかったから
不安になりながら箱を開けたのを思いたした。
1982年製造 Helios-44-2
通称おでんマークがあるレンズ
シシカバブマークか
ロシアのValdaiという工場で製造されたコピーレンズ。
レンズにはそこまで詳しくはないけれど、長い年月を経て
何かの経緯でこのレンズはロシアからウクライナへ渡り
日本の私の所までやってきた。
ここに辿り着くまでに何人の人がこのレンズでどんな景色を見たんだろう。
量産されたレンズだけれど、私の手元にあるこのレンズは確実に
今、大変なことが起こっている場所からやってきたのは事実で
沢山の素晴らしい人やモノ、歴史があった場所で
それが破壊され失われているのも事実で
私の手元にあるものを大切にしなければと感じた。
今シェルターの中光の閉ざされた方達が
太陽の光を浴びれる日が早く来てほしいと願うばかり
ただ、そんな風に思うことしかできない私は
ウクライナから届いたレンズで光を集め写真を撮り続ける。